もしもしテレフォンのオンラインショップは毎月リリースがある。リリースの方法は指定の日の深夜0時にメンテナンスと称しサイトを一時的に使えなくする。その間に新たに改修した分を本番環境に差し替える。その後動作確認をして問題がなければメンテナンスを終了させサイトを稼働させるのだ。

リリースとなるとチームからデプロイ担当が1人、そして何か問題があった場合に対応する人が2人の合計3人が深夜に出勤して作業をすることになっていた。

今回はリリースするものが軽いため経験をつむため半灰が初めて深夜作業をすることになった。デプロイ担当は出不労（でぷろう）さん、そして相方をつとめるのは小瀬火（おせか）さんだ。

22時頃

半灰「お疲れ様でーす。こんな時間に出勤するのもなんか変な感じですね。私服ですし。」

小瀬火「おつかれー。深夜作業はいいんだけどやっぱ眠くなるんだよなー。」

半灰「一応夕方に少し仮眠してきましたけどやっぱ眠くなるんですね。」

いつもはがやがやしているプロジェクトルームもしーんと静まりかえっている。奥の席では出不労さんがせわしなくパソコンとにらめっこしていた。

小瀬火「俺たちの主な作業は本番環境に上がった改修分がきちんと動くかの確認だからね。手順書があるからこれにそって確認していくのは言ったと思うけどもう一度作業と分担を確認しとくぞ。」

二人で作業を確認しているうちに0時になりメンテナンス画面に切り替える。出不労さんが本番環境に改修分を上げ始め1時間ほどで完了した。いよいよ我々の作業開始だ。本番環境で改修した部分が期待通りに動くか、他の画面に影響が出ていないか。それらの確認を二人でひとつひとつ確認していく。

半灰も初めての作業となるため最初は時間がかかってしまっていたが徐々に慣れてスピードがあがってきた。

4時頃になり全ての作業が完了した。メンテナンスが明けるのは6時なので時間内に終えることが出来た。

小瀬火「おつかれー。とりあえず時間まで暇だから次の作業の確認なり仮眠なりしていいよ。6時になったらメンテナンスを解くからそれまでな。」

そういうなり小瀬火さんは周りから椅子を集めて横になりだした。気がつくと出不労さんも寝ている。

解説

オンラインショッピングサイトなどは日中に使えなくなると機会損失が増えてしまうため、メンテナンスなどの作業は影響の少ない時間帯に行われます。今回のもしもしテレフォンの場合は0時にメンテナンス開始となり、裏ではリリース作業をしていました。

今回の話では特に問題がなくスムーズにいったようですが、何か問題がありリリースが上手く行かなかった場合は地獄になることがあります。リリースするにしても問題があった箇所だけ後回しにするのか、それとも全体として後回しにするのか判断が必要になります。そのためベテランか全体の改修内容を知っている人がリリース作業にあたることになります。

ちなみにその場で直してリリースしてしまえばいいじゃんと思うかもしれませんが、対してテストもせず急いでリリースしてもいいことがないため後日テストをきちんとしてから再リリースすることが多い印象です。しかしこの時点でリリースが延びるほどの問題がみつかると色々と怒られてしまうのでテストフェーズでしっかりとバグを見つけましょう。

6時になりもしもしテレフォンのサイトは運用を再開した。このまま少し様子をみて9時に他のメンバーが出勤してきたところでお役御免となる。今回も無事にリリースが完了することができた。

半灰「小瀬火お疲れ様でした。結局一睡もしなかったので眠たいです。」

小瀬火「おつかれー。俺は少し寝たからそうでもないけどやっぱ夜勤明けは体調よくないなぁ。」

半灰「明るいうちに帰るのもなんか変な感じですね。今日は一日休みなのでちょっと得した気分ですよ。」

つづく

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