『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』を読みました
ロボットは東大に入れるのか。『東ロボくん』と名づけたロボットに大学入試の問題を解かせ、東大合格を目指す。そんな人工知能プロジェクトのプロジェクトリーダー新井紀子さんの著書です。数学者でもある新井さんはこのプロジェクトを通じてAIの限界を探ろうとしました。そこで見えてきたのが学生の読解力の低さ。独自で問題を作り、全国の学校の協力の下テストを実施し学生の現状を調査していきます。
AIの苦手とすることは読解力と言われています。このままではAIに仕事を奪われてしまい大変なことになってしまうよというのがざっくりとしたこの本の内容です。
AIという魔法の言葉
コンピューターはあくまで計算しか出来ないことはプログラマーであれば知っているかと思います。しかし当然ながらみんながそういう知識を持っているわけではありません。ニュースを見ると『AIを使った新技術でこんなことが出来ます』というのがよく取り上げられ、映画ターミネーターのように機械が自分で考え、学習するようになるものもうすぐなんだなと錯覚してしまいます。
著者はそんな時代はきませんと断言しています。断言してしまうのが逆に気持ちがいいのです。本の前半ではなぜそういう時代がこないのか説いています。
この辺はとても興味がありどんどん読んでいきました。
子どもの読解力の低さ
後半になると独自のテストを実施した結果から『学生の読解力はこんなに低い』ということを発見し、問題提起をしています。実際に例題も掲載されていました。
ただ自分のような子供を持っている親からすると「うちの子供も解けないだろうなー」と思いました。普段、夏休みや冬休みなど宿題が出たらまるつけをしてあげるのですが、正直こんなのも解けないのかとびっくりすることがあります。そういう意味では「何をいまさら」というのが正直な感想でした。
個人的に思ったこと
個人的にAIに仕事に奪われるというのはまだまだずっと先のような気がしています。そのうちパソコンが今の仕組みを根本からかえて計算機からワンランク進化し、それからの話じゃないかと思います。
それより自分の子供にはパソコンに仕事を奪われないように読解力を鍛えるよりパソコンを使えるようになってほしいというのが正直なところです。